PDCAサイクルの実施方法

PDCAサイクルの実施方法

管理職の仕事 PDCAサイクルの実行
管理職の仕事の一つは、PDCAサイクルの実施です。
管理職は「PDCAサイクルを実行しながら、業務を改善し、部署・部下の能力を向上させてゆく」必要があります。

会社は改善を繰り返し、よりよいサービスを提供できるよう発展し続けないと、 他社との競争、消費者の嗜好の変化などにより、廃れてしまいます。

そのため、管理職は前よりも少しでも良いサービスを生み出し続けることができるよう、 常に業務を改善し続けることが仕事となります。

PDCAサイクルを実行し、部署、部下の能力が向上すると、 業務が良くなるだけだなく、部下のやる気もアップし、会社全体の雰囲気が良くなります。
ここではPDCAサイクルの実施方法、 注意すべきこと、コツなどを紹介しています。

PDCAに関する悲しい現実 ほとんどの管理職ができてない

「PDCAサイクル」という言葉はほとんどの会社員が知っています。
もしかしたら、知らない人は存在しないかもしれません。

しかし、ほとんどの職場では、「PDCAサイクルを実施していない」という悲しい現実があります。
1年にたった一つの改善すら行われていない会社の方が多いくらいです。

「日常の業務に追われ、改善などとても手が回らない」という場合や、 「問題が起きる都度、その場その場で対応する」場合がほとんどです。

ほとんどの企業、管理職がPDCAサイクルを唱えながらできていないという現状は、 それを実施するだけで十分にできる管理職の要件を満たすことになります。

管理職はPDCAを回すことを管理をする

管理職の仕事はPDCAを回すことを管理することです。

ミスや愚痴をトリガーにする

PDCAのP(企画・計画)の元は何でも問題ありません。
最も取り組みやすいのは「ミス」や「愚痴」です。

例えば、「機密情報を誤って、異なるお客様に送ってしまった」というミス。 新入社員だけでなく、中堅社員でもそれほど珍しいミスではありません。

この時、ほとんどの会社では「どれだけ重大な過ちを犯したか、理解しているか。 今後必ず注意するように」と叱責し反省を促し、終わってしまいます。

また、少し改善に理解のある会社の場合、 「機密情報を送る時は必ず管理職がチェックするように」と指示するかもしれません。

しかし、このミスは「人に依存してしまう」、あるいは、「ルールがない業務」です。
そのため、再犯する可能性が非常に高いと言えます。
このようなミスが起こった時こそ、PDCAを実施するチャンスです。

管理職の仕事は誰がやっても同じルールを作ること

ミスに対して、「ミスをする人の能力が低い」と考えるなら、管理職としては失格です。
業務をする限り、ミスは必ず付き物です。

それは、どれほど高い能力があり、できる人間であっても同じです。
その為、同じミスが起きないよう対処するのが管理職の仕事です。

とにかくルールを作る

管理職は、このミスが再発しないよう「ミスをしない仕組み・ルールを作る」、あるいは、 「ルールを作れる環境」を用意します。

それは、管理職がミスをした人と個人面談、ヒヤリングを行い、 管理職自身がアイデアを出すことかもしれませんし、 部署会議を通じて、ミスの状況を丁重に説明し、部署メンバー全員でアイデアを出し合うことかもしれません。

方法はどうであれ、とりあえず「ルールを作り、実施させる」ことが重要です。

経過を管理する

たった一つのミスですが、それを通じて部署・組織がどう変わっていくかが、 管理職の腕の見せ所です。

先ほどのメールの例の場合、「顧客に対してメールを送る場合は上司が必ずチェックする」 というルールを作ったならば、それを必ず実践するよう管理します。

管理方法は、会議や立ち話でも良いので、定期的に状況を確認し、 問題があれば報告してもらうよう徹底します。

さらなる改善へ

ルールを決めて実施し始めると、様々な問題が出てきます。
それを放置せず管理・反省し、さらに次の改善、アイデアへと結びつけます。

先ほどの「顧客に対してメールを送る場合は上司が必ずチェックする」というルールを運用し始めると、 「面倒だな」と多くの社員が感じます。
ここで止めてしまうか、「反省・改善をし次につなげるか」を管理することが管理職の仕事です。

経過を観察した結果、 「わざわざ上司がチェックするのではなく、送信者が2回チェックするようにすれば良い」とか、 「それだと本当にチェックしているかわからないから、声に出すようにしよう」とか、 やってみて初めて分かる様々な意見が出てきます。
それを元にまた、皆で一つの解決策が導き出し、それを自部署の仕組み・ルールとして再度運用していきます。

情報システム部門がある場合、メールの送信に関してプログラムを組み、 宛先が正しいかどうか、チェックしてもらうこともできるかもしれません。

繰り返し行うことで、より洗礼された業務が出来上がります。
そうやってPDCAを回し、業務や人、組織を向上させていくことが管理職の仕事です。

PDCAサイクルを実施することで、業務が良くなるだけでなく、 「皆で問題を共有し解決する」、「組織作りに参加している」 というメンバーの一体感が出来上がります。
そのような組織を作っていくことが管理職の仕事です。


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