コミュニケーション管理
管理職は部下に対して、会議体、個別面談、報連相、雑談など様々な手段を通じて積極的にコミュニケーションを図る必要があります。コミュニケーションは信頼関係の基礎となり、業務がより円滑に回るようになります。
コミュニケーションがない職場は雰囲気も暗く活気がありません。
「言わなくても分かるだろう」は管理職の怠慢であり、言い訳です。
ここでは管理職のコミュニケーションとして、手段、やってはいけないこと、コツなどについて紹介しています。
コミュニケーションの目的
管理職がコミュニケーションを実施する目的は、管理職の仕事と役割をこなすためです。特に管理職の役割である「業務の企画・遂行・改善」、「部下の育成」、「経営理念、ルールの浸透」に、 コミュニケーションは不可欠であり、大きく4つのコミュニケーションにより達成されます。
それらコミュニケーションが常に図れる環境を作ることと、 責任を持って実行することが管理職の仕事「コミュニケーション管理」です。
管理職が実施すべきコミュニケーションとその頻度
手段 | 特徴 | 頻度 | 内容、及び成功のポイント |
会議 | 様々な意見を聞く、出す。 全員に知らせる。 |
週~月で複数回 ※内容による |
業務がうまくいっているかを確認する「進捗会議」、上層部の意思決定内容や命じられた課題を報告する「報告会議」は必須です。 その他は目的が明確で、会議形式が優れているような内容なら、 積極的に開催するようにしたいところです。 ただし、多くの社員は「無駄な会議が多い」と感じていることも事実です。 無駄になるか有益になるかは「明確な目標」、「会議に対する準備」、「ファシリテート能力」にかかっています。 失敗しても良いので、まずは実践を通じて会議能力を磨いていくことが重要です。 |
個人面談 | 深い話、重要な話、他人に聞かれたくない話ができる。 | 最低、月に1度 |
管理職の仕事の中でも部下の育成、特に精神面でのサポートを目的としています。 深い話ができるため、人前で言い難いことや、業務の不満、悩みなどを解決することができます。 部下が多いと大変かもしれませんが、実践するとこれほど有意義になる会議はない、と多くの人が実感します。 成功するかどうかは、その人との信頼関係と聞く力にかかっています。 間違ってお説教タイムにしてしまうと、全てが台無しになるため要注意です。 |
報連相 | 業務をスムーズに進める。スピード感がある。 | 適宜 |
できてない場合は徹底して実施するように教育する必要があります。 やりたくない、やったほうが良いではなく、「社会人としての義務である」と教えます。 報連相の成功のポイントは失敗した時の管理職の対応です。 今できる最善の方法を部下と一緒に考えてやることが大事です。 報連相を聞いてグチグチと説教したくなる場合もありますが、 終わったことに対して何を言っても無駄です。 文句を言いたくなる気持ちを管理職としてぐっと押さえ、後日、その失敗を糧に、 仕組みやルールを作るようにします。 |
雑談 | 人間関係を築く。 | 適宜。業務外の会話。 |
人間関係を築き、他のコミュニケーションがうまくいくかどうかを決める最も本質的部分です。 仕事ができる上司であっても、人間味が見えないとどうしても尊敬することはできません。 冗談でも良いし、日常会話でも、挨拶でもなんでも良いので、とにかく自分から積極的に会話していくことが重要です。 その人に興味をもち、注意深く観察し、コミュニケーションが図るようにすれば、少なくとも誠意は伝わります。 |
管理職のコミュニケーションのツボ
業務指示・命令
業務指示をする場合、必ず「目的」、「背景」、「期待する成果」を話すようにする。「この資料を印刷しておいて」と言われ印刷する作業と、 「午後の役員会議で使うから印刷しておいて」と指示される作業と、 「年に一度の重要な役員会議が午後からあるから印刷しておいて」では印刷の仕方は異なるかもしれません。
会社が経費削減のため、両面モノクロ印刷を推奨している場合でも、 「片面印刷やカラー印刷ですか」と質問を投げかけるかもしれませんし、 役員の中に左利きの人がいることを考慮して、 一部の資料のクリップの向きを反対にするよう提案してくれるかもしれません。
ただ単純に業務指示するのと、目的、背景を話して業務指示するのでは、 業務の精度があがるだけでなく、部下の成長や管理職自身の成長まで変わってきます。
業務指導・注意
部下に対して注意や指導をする場合、いくつか注意すべきことがあります。一つは部下の指導、注意には必ず「育成の視点」を忘れないこと、 もう一つは「失敗には改善のヒントが隠されていること」です。
育成の視点
- 人前では叱らない
- 最初から叱ることを前提としない
- 理由を必ず聞く
- どうすればよかったか自ら考えさせる、または、一緒に考える
ミスや失敗をした時に、 管理職がすべきことは、 今できる最善の方法を部下と一緒に考えてやることです。
できなかった、あるいは、失敗した事実は変わりませんが、 結果はすぐに出さなければいけません。
その為、チームメンバーの力を動員してでも、まずはミスに対して結果を出すことが必要です。
後日、ミスの原因を分析し、部下の能力向上あるいは業務改善を実施します。
それは一対一の面談かもしれませんし、会議の場かもしれません。
ミスの原因を一緒に考え、どうすれば次から失敗しないようになるか、一緒に考えます。
そうすることで組織としての力が上がっていき、それこそが管理職に求められる役割です。
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