失敗しない目標管理

失敗しない目標管理

管理職の仕事 目標管理
管理職の仕事のうち、最も重要な仕事は目標管理です。

目標管理が終われば、 管理職の仕事は8割終わったと言っても過言ではありません。

目標管理は会社の発展、業務の遂行、部下の育成など全てに関わることであり、 目標管理が無いと社員、業務の質が向上せず、 会社としての質が低下してしまいます。

しかし、目標管理は難しいため、導入する多くの企業が失敗します。
ここでは目標管理の重要性、狙い、やり方のコツなどを紹介しています。

管理職の役割については、 管理職の役割とはをご参照下さい。

目標管理の狙い

目標管理をする目的はたった2つだけです。
  • 会社の中の業務と、その人に期待する役割・結果を結びつけること
  • 会社として人材を育てること
目標を記載する本人の視点から言い換えると、
  • 自分がすべきこと、挑戦したいことを明確にすること
  • 自分がどうなりたいかを明確にすること
です。

つまり、目標管理とは「会社が期待すること」と、 「社員が仕事を通じてやりたいこと」の両方の折衷点を見つけることです。

会社がして欲しいこと、要求ばかりを言えば社員はやらされ感が強くなり、主体性を失うことになります。
社員がしたいこと、やりたいこと、低い目標ばかりでは、会社の発展に届かなかったり、別の方向に行ってしまう可能性があります。
それをうまく調整していくことが管理職の仕事「目標管理」です。

失敗する目標管理

以下は多くの会社で失敗する目標管理の例です。

評価制度に結び付ける

目標管理を導入する企業で最も多い過ちは、目標管理を人事評価へ直接結びつけてしまうことです。
その結果社員の指揮が下がるだけでなく、やらされ感が強くなり、目標管理が形骸化してしまいます。

人によっては目標管理の内容が非常に高い挑戦目標になってしまうことがあります。
評価制度に結びつけると、この高い挑戦目標をクリアできなかった人より、 わざと低い目標を設定した人の方が評価が良くなる場合があります。
その結果、評価制度に対する疑念が湧き、会社全体の士気が低下してしまいます。

当初とは環境が異なる

これも非常によくある失敗例ですが、目標管理を半年や1年に1度にすると、 途中で環境が変わり、目標そのものが形骸化してしまうことがよくあります。

特にプログラマーやエンジニアなどはプロジェクト単位で動く人や、 部署異動が多い人の場合、 期の途中から目標とは全く異なる仕事に従事することも少なくありません。

その他、主にルーチン業務に従事する社員であっても、 別の仕事を任されたり、隣人が退職したりなどで環境が代わり、 当初の目標が会社の実情にあわなくなる場合があります。

そして、ほとんどの人は目標よりも実務を優先するため、 「目標管理は意味がない」と考え、形骸化してしまいます。

やらせれ感

人によってはやらされ感を持つことも少なくありません。
特に入社1年目やベテラン社員です。

これは育ってきた環境によるものの、 「目標」と言う言葉そのものに嫌悪感を持つ人もいるほどです。
ひどい場合には、「目標を記してもどうせ達成できない」という諦め感が身体に身についてしまっている場合もあります。

長すぎる目標到達までの道

6ヶ月後にどうなりたいか、何を達成したいかと問われると、 ほとんどの人は明確に答えることはできません。
明確に答えることができる人でも簡単すぎたり、目標が高すぎたり、人によっては夢のような物語や、 一生懸命頑張る、と言った精神論を記載する人もいます。

理由は6ヶ月後の「適当な」目標など、誰も分からないからです。

しかし、ほとんどの目標管理は6ヶ月や1年後の目標管理しか実施しません。
これでは失敗することを前提にやっていると言っても過言ではありません。

どのように目標管理をすべきか 成功する目標管理

目標管理を失敗せず運用するには、 失敗の原因を取り除いてやり、柔軟性を持たせることが必要です。

達成すべき目標とルーチン業務の両方を記載する

目標管理で管理すべきことは、 いついつまでに達成しなければならないという「期限付きの目標」と、 定期的に継続して実施する「ルーチン業務」の2種類です。

週の部内会議を例に取ると、 新入社員なら、ルーチン目標として、「会議開始までに資料を全員に配布する。」 あるいは、挑戦目標として、「会議では必ず3回の発言をする。」などとなり、 期限付き目標として、「来月までに議長を務めれる資質を身につける」、「そのために来週までに議長の仕事、役割の勉強をする」 などとなります。

管理職はこれら目標に対して、会議前に読んでほしい資料がある場合には、 「必ず前日夕方5時までに配布して欲しい」とか、「会議資料には必ず目を通しておく」など、 部を円滑に回せるよう、本人、部署の目標を調整していきます。

目標を細分化する

とにかく目標を細分化します。
そうすればできそうか、できなそうか判断できるようになります。

大きな目標を立てられない場合は、細かい目標=日々の目標を毎日更新していくようにします。
そうするとおぼろげながら少し先の目標が見えてくるようになります。
さらに続けていくと数ヶ月先の目標が見えてくるようになります。

そうやって日々目標管理に触れることで、 やりたいことや挑戦したいこと、コツなどが分かるようになってきます。

管理職としては、それが実現可能かを判断することが最も重要ですが、 目標管理に慣れていない新人などは、少し手間がかかるものの、時間を割いてあげることが重要になります。

常に定期的に見直す

目標管理を実施する場合、 日々変化する環境により、 目標ややるべきことも当然変化していきます。

その為、「最低1週間に1度」、チームや個人で定期的に見直すことが理想です。

チームや部署の雰囲気によって見直し方は変わりますが、 チーム全員で見直すことで、他人の目標が本人のやる気や、目標の精度の向上につながる場合があります。

個人面談でじっくり見直すやり方の場合、 管理職と部下との信頼を築くきっかけとなります。

管理職はチェックの目を養う

管理職の仕事は、目標管理において、以下をチェックして上げることです。
  • 部の役割・目標が、部署全員の目標管理の中に落とし込めているか
  • 人材が成長する目標になっているか
  • 無理な目標を立てていないか


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